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「心臓と暮らし」タイトル

これらの文章は、2002年から2003年の岩手日報コラムに連載されたものです。
今でもとても面白く読めましたので、再掲載しました。  ぜひ、ご一読ください。



第1回 暮らしと心臓; 10項目の心がけ

岩手医科大学第二内科
平盛 勝彦
2002年9月3日


1.心臓は 「生老病死」 と共にあります。

ときには、そのことを考えてみましょう。その考えてみることが、心臓と暮らしを大事にする生き方の出発点です。心臓の働きと暮らしの順調さを喜ぶとともに、そこに危うさもあることを感じ取るのが大切です。

2.心臓は、生きがいある暮らしのために頑張ります。

心臓は、無理してでも日々の暮らしのために休まず働く律義者です。弱った心臓でも、そのとき身体が欲しがるだけの血液を無理してでも送り出そうと頑張るのです。心臓の働き方の仕組みがそういうふうになっています。心臓の働きが、生きがいある暮らしにみあうように、いつも順調であれと願っています。

3.心臓にも、きちんとした手入れが必要です。

よく手入れされている心臓と、ひどい扱いを受けている心臓では、「老病死」 の近づき方が大きくちがいます。日々の心と身体のあり方が心臓の調子にひびきます。心臓の手入れには、ちょっとした暮らしの工夫が有効です。

4.あなたの心臓はあなたのものです。

医者まかせではダメです。元気な心臓を長もちさせるにも、弱った心臓を救うにも、あなた自身のすることが最も確かに効きます。生き生きとした暮らしをするのも、トラブルに苦しむのも、自分の生き方の結果です。自分の暮らしと心臓は自分のものだという自覚が、確かな行動と納得できる結果につながります。

5.しかし、頼れる医者もいます。

私たちは社会をつくって暮らしています。医療は、その社会が維持している基本的なシステムのひとつです。病気は、一人で苦しまなくてもいいのです。自分の 「老病死」 を考えてみて、まずは身近なところで頼れる医師を見つけておくのがいいでしょう。

6.心臓を守るのに効果的な予防法や治療法があります。

心臓を守るには、先手必勝の心がまえが有効です。心臓病には、早目に打つ手が特に大きく効きます。「医は今」 の連載で、色々な 「手」 を学びましょう。

7. 自分のからだの特徴やデータを知っておきましょう。

「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」 です。自分のからだの特徴や基本的なデータを知っておくことが、いざというときに大いに役立ちます。

8.心臓発作から 「いのち」 を救うには下準備が要ります。

「発作」 が怖いのが心臓病の特徴です。あるとき突然に 「いのち」 を失いかねないことになるのです。あらかじめ知っておいて、急に苦しくなったときには、心臓発作かもしれないと思いつくことが大切です。同じ地域で暮らす人たちが、お互いに助け合うところからスタートする住民参加の救命救急システムが頼りになります。

9.弱った心臓でも、付き合い方しだいで調子よく長もちします。

心臓病になっても安心して頼れる医療があります。また、弱った心臓でも、日々の暮らしの中で上手に使えば、調子よく長もちします。心臓病との付き合い方のコツを知っておきましょう。

10.世の中が変れば、心臓との付き合い方も変わります。

いまは、何もかもが大きく変わる時代です。ちょっと難しいかもしれませんが、変わってくる暮らしの中での心臓との付き合いを考えてみて、「老病死」 対策へのひと工夫をしてみましょう。  私どもも、この連載記事をつくりながら、読者の皆さんと一緒に 「心臓と暮らし」 のことを改めて考えてみたいと思っています。

第1回 掲載:2002年9月10日

当ページは岩手日報社の許可を得て掲載しています。

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