1 PAD元年、謹賀新年---2004年
今夏、金メダルラッシュとなったアテネ・オリンピックで、日本中は連夜沸き返り寝不足になりました。
「チョー気持ちいい」と発した北島選手の水泳、「田村亮子でも金、谷亮子でも金」の柔道のほか、体操、陸上など金メダルを獲得する瞬間を皆さんもご覧になったでしょう。
それ以外にも、なでしこジャパンの活躍、長嶋ジャパンの銅メダル獲得も話題になりました。
その直前の、2004年7月1日に、一般市民によるAED(自動体外式除細動器)使用の「解禁」が報道されました。
昨夏、厚生労働省は講習を受けた一般市民がAEDを使用できるようにする方針を決め、今春には一般人の使用を認める予定でしたが、専門家検討会での意見の取りまとめが遅れていたのです。
やっと一般市民が行う除細動(PAD)※が解禁となり、兎にも角にも、今年2004年は日本でのPAD元年となったのです。
これにより早期除細動を達成させることが可能となったのです。
PAD元年の計は、使用者になる一般市民への「AEDを使う心肺蘇生法」の普及とAED設置の充実を早期除細動の推進の両輪とすることです。
地域の住民が自ら「AEDを使う心肺蘇生法」を行うなど、同じ地域で暮らす人たちがお互いに助け合って行う救命救急システムが頼りになるのです。
この救命救急システムが地域社会に根ざすことで、心臓発作で「いのち」が失いつつある人の救命が可能になるのです。
「地域社会そのものが究極のCCU」となり、多数例が後遺症を残さずに社会復帰できるようになるのです。