Contents

  1. PAD元年、謹賀新年
  2. シアトル
  3. 早期除細動が救命の「鍵」
  4.  “ケータイ”よりチョー簡単!
  5. たった一つだけ注意が必要ですから
  6. AEDもいろいろ、波形やエネルギーもいろいろ
  7. 一般市民もすなる除細動
  8. サンタクロースもAED
  9. 携帶電話みたいに
  10. 自己責任!?
  11. “I have a dream that one day ・・・”
  12. ♪ミミファソソファミレ…
  13. (出典、参考文献)

PAD元年、謹賀新年

4 “ケータイ”よりチョー簡単!

便利で簡単な器械が出来たのです。
自動体外式除細動器(AED)はノートパソコン程度の大きさで、心電図を自動的に解析してくれて、電気的除細動が必要かどうかを判断してくれます。
操作手順は日本語音声と液晶ディスプレイが順次知らせてくれます。
現在、日本で認可されているのは3タイプあります。


自動体外式除細動器(AED)

救助者が自ら行う操作は、
 (1) 電源を入れる
 (2) 電極パッドを傷病者の胸に貼る
 (3) 自動解析ボタンを押す
 (4) 除細動ボタンを押す
のせいぜい4つだけです。

電源を入れるのは、器械だから当然ですよね。
電極パッドは電極パッド自体に絵が描いてあるので、その通りに胸の2か所へ貼ります。
取扱説明書なんて読む必要はありません。
自動解析ボタンを押すのは、音声メッセージで知らせてくれますので、その通りにします。
そして、除細動ボタンを押します。
これも除細動が必要かどうか音声で知らせてくれます。
そうでないときに間違って押しても電気ショックはかかりません。

新機種ほどますます自動化されて、自ら行う操作は少なくなります。
操作が3つのものや2つのもの、果てはほとんど自動化されて電極パッドを貼るだけ、というものもあります。
この操作中に自ら判断することは何もなく、すべて器械のいうとおりに行うだけでよいのです。
誤作動はなく、救助者は医学的知識が無くても安心して安全に使用できます。

小学生でも操作できます4)
小学6年生に数十秒ほどAEDの使い方を教えて除細動できるまでの時間を測定し、あの有名なシアトルの救急隊員と比較しました。
すると、シアトルの救急隊員はさすが専門職だけあって、67秒で除細動できました。
一方、小学6年生は除細動まで90秒かかりましたが、その差はわずか23秒足らずでした。

シアトルの救急隊員は現場到着まで平均6分要しますので、約7分後に除細動することになりますが、子供にAEDの使い方を教えておけば90秒後には除細動してもらえるのです。
この研究を主導した医師は、「自宅にAEDを置いていて小学6年生の自分の子供にはAEDの使い方を教えているので、自分は安心だ」と話していました。

AEDは自動血圧計と同じくらい簡単です。
皆さん、自動血圧計を使用した事があるでしょう。
自動血圧計の操作も、電源を入れる、マンシェットを腕に巻く、測定ボタンを押す、だけで、取扱説明書を読まなくとも誰でも簡単に使用できます。
それと同じくらいAEDは簡単なのです。
まして、ケータイ(携帯電話)やプレステよりも簡単です。

いまや携帶電話をお持ちでない方はいらっしゃらないでしょう。
携帶電話は画面がカラーになって、相手に電話をかけるだけでなく、i-modeで情報を得たり、メールを送信したり受信したり、写メールで写真を撮って相手に送ったり、着メロになったり、音楽も聴けるようになっています。
多くの機能がついていますが、皆さん使いこなしているでしょうか。
プレステも小学生の子供のほうがうまかったりするでしょう。

また、カーナビみたいな使用感です。
知らない土地へドライブするときでも、現在ではカーナビが目的地までの最適な道順を 「次の交差点を右に曲がってください。300mほど直進したら左に曲がってください」 などと音声と液晶モニターの地図で教えてくれるので、安心して行くことが出来ます。

AEDも初めて遭遇する、いざという事態のときでも、 「電極パッドを貼ってください。除細動ボタンを押してください」 と日本語での音声と液晶ディスプレイで次に何をしたらよいかを適切に教えてくれるので、安心できます。

そして、消火器のように用います。
AEDに内蔵されている電池寿命は5年で、AED自体が毎日セルフチェックを行うため、メンテナンスは不要です。
いざという時に備えて設置しておいて、その時に使用するだけでよいのです。
いざという時はAEDを持ってきてもらうのを忘れてしまうことのないように、宴会の始まりのときに「とりあえずビール!」って言う感じで、「とりあえずAED!」って言いましょう。

前 前     ページの先頭へ ページトップに戻る       次 次
 

AEDを使う心肺蘇生法 トップページに戻る