6 AEDもいろいろ、波形やエネルギーもいろいろ
除細動器のエネルギーは心室細動を終息させる最も効果的なエネルギーが設定されています。
エネルギーが少なすぎれば、心室細動は終息しませんし、多すぎれば心筋の傷害が生じます。
最近のAEDは単相性(monophasic)波形のものと二相性(biphasic)波形のものがあり、波形によっても製造メーカによってもエネルギーが異なっています。 (図2、図3)
単相性AEDは、出力を初回に200ジュール、2回目、3回目を要するときには300ジュール、360ジュールと自動的に上昇させます。
徐々にエネルギーを上げるのは除細動の成功を最大限にして心筋傷害を最小限にするためです。
二相性AEDは、単相性AEDより低出力で同等かそれ以上の効果があることが確認されていますので5)、200ジュールより低い一定のエネルギーで除細動を繰り返します。
そのほかに、二相性AEDでも単相性AEDと同じように、初回に200ジュール、2回目、3回目を要するときには300ジュール、360ジュールと自動的に上昇させるものがあります。
今後は、ある波形やあるジュール数でその有効性が異なるなどの研究が発表されていくと思います。
現在、ある波形やあるジュール数の除細動器が他の除細動器より有効であるとのヒトでの科学的根拠はまだありません。
すべての除細動器は確実に有効で、確実に救命に役立ちます。
ガイドライン2000でもすべての除細動器を認めています。
心室細動での生存率を決定する最も重要な要因は早期除細動なのです。
これが一番重要なのですから、早期除細動をもたらすことすべてがよいことなのです。