12 ♪ミミファソソファミレ…
皆さんご存知のベートーベン作曲の 「第九交響曲」 のメロディです。
「世界中の人々が兄弟として抱き合う」 ことを呼びかけていて、東西ドイツ統一を祝って開かれた演奏会でも演奏されるぐらい、意味あるものなのです。
年末になると耳にすることが多くなって、このメロディを聞くと、「今年ももう一年が過ぎた…」 と実感せざるを得なくなります。
PAD元年も終わろうとしています。
今年、オリンピックやアメリカ・メジャーリーグでの脚光とは対照的に、日本プロ野球は騒動で注目を集めてしまいました。
球団の合併問題と一オーナーによる 「たかが選手が」 という発言から選手会によるストライキまでに発展したのでした。
野球を通して、スポーツを支えているのは企業なのか、地域社会なのか、が問われたのでした。
欧州のサッカーでは、スポンサー企業であろうとチームを自分たちの所有物として扱えず、企業も地域社会の一員として振舞うことが求められています。
日本のJリーグは100年構想で「地域密着」を掲げ地域にサッカー文化を根付かせようとしています。
新潟をはじめ各地でその成功例が出てきています。
日本プロ野球でも、今年から本拠地を札幌に移した日本ハムファイターズは、北海道に200億円もの経済効果をもたらしたそうですが、優勝決定戦に進出するなど 「元気ハツラツぅ」 な活躍とともに、ファン本位で地域に密着して地域へ大きく貢献しました。
それらを踏まえ、今シーズン終了後に誕生した東北楽天ゴールデンイーグルスは 「地域密着型」 や 「地域に根ざした」 という球団方針を示しています。
医療もそうです。
救急医療はなおさら地域に根ざすことが必要です。
PADも地域社会に根ざすことで、院外で 「いのち」 を失いつつある人の救命が可能になるのです。
ベートーベンは 「第九交響曲」 が多くの民衆に聴かれ歌われるようにと、♪ミミファソソファミレ…と誰でもが歌える簡単なメロディにしたのです。
その通りに、日本の年末には、いろいろな職種の地域住民が参加して 「人類愛」 を歌っています。
同様に、地域で暮らす人たちがお互いに助け合って行う救命救急システムを浸透させたいのです。
倒れた人のそばに居合わせた誰もが 「AEDを使う心肺蘇生法」 を行うなど、この救命救急システムを地域社会で奏でることができると、 「地域社会そのものが究極のCCU」 となり、多数例が後遺症を残さずに社会復帰できるようになるのです。