Kasai A et al: Ammonia as a Biochemical Marker of Neurological Outcomes for Patients Treated with Therapeutic Hypothermia After Out-of-Hospital Cardiac Arrest: J-PULSE-Hypo Registry(#275)
―― 今回のご発表の内容を簡単に教えていただけますか。
Kasai 私たちの施設では、これまでにも来院時にアンモニアを測定し、神経学的予後との関連を検討したデータを報告してきました。アンモニアの値によって低体温療法を行うか行わないか、あるいはどのくらいの値ならば行うべきなのかといった基準、さらには来院までのCPRの質がアンモニアの値によってわかるのではないかといった研究を行ってきたのですが、今回の発表では、J-PULSE-Hypoのデータではどうか、多施設で行った場合どのような結果が得られるかを検討し、その成績を報告しました。結論としては、J-PULSE-Hypoでも、やはりアンモニアの値が高ければ高いほど神経学的予後が低下することがわかりました。今回のポイントとしては、189μg/dLを超えるようであれば、1例も良好な神経学的予後が得られなかったことから、これが1つの導入基準となるのではないかと考えられた点にあると思います。
―― 189μg/dL以下であれば、低体温療法を行うべきと考えてよいわけですね。
Kasai 極端にいえばそういうことになりますが、実際の現場ではまだそうした数値をみて導入しているわけではありません。あくまでも1つの指標として役立つのではないかと検討している段階です。たとえば、従来からpHが1つの基準と考えられてきていますが、実際にこれらの指標とともにデータを蓄積していく必要があると思っています。
―― どうもありがとうございました。