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『ReSS Report 2010』番外編

Session 02 Dr Kokubu, Nobuaki


Kokubu N et al: Impact of Rewarming Speed Differences on Outcomes of Therapeutic Hypothermia in Out-of-Hospital Cardiac Arrest: An Analysis in J-PULSE-Hypo Registry, A Multicenter Hypothermia Registry in Japan (#135)


―― 今回の先生のご発表について教えていただけますか。

Kokubu この研究ではJ-PULSE-Hypo Registryのデータを用いて、復温時間の違いが予後にどのような影響を及ぼすかについての後ろ向きの検討を行いました。方法としては、低体温療法が行われた429例を3つの群、すなわち復温のスピードが2℃/日を超える群、1〜2℃/日の群、1℃/日以下の群にわけ、それぞれの予後・生存率との関連を解析しました。もっとも一般的に行われていたのは1〜1.9℃/日での復温スピードでした。3群間の患者背景や各種のパラメータに差はありませんでした。解析の結果、生存率は3群間で有意差がなく、30日のCPCスコア1,2の率についても有意差はありませんでした。しかし生存者だけのCPC1の比率をみますと、2℃/日以上のスピードで復温した群で有意に高く、予後が良好であることがわかりました。つまり早く復温したほうが予後は良好であったという結論です。従来、早い復温は脳の障害を引き起こす可能性があることが指摘され、十分に時間をかけて復温することが提唱されていましたが、我々の解析結果をみると、ある程度早い速度で復温しても、脳の障害や合併症を増加させることにはならないと考えられます。

―― 今後は1日で復温してもいいのではないかというわけですね。つまり、施設によっては復温時間を再考する必要があるという結論になりますか。

Kokubu そうですね、いままでは約半数の施設が24時間から48時間かけて復温していたわけですが、1日で復温しても問題ないことが示唆されたといってよいと思います。

―― ありがとうございました。


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