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『ReSS Report 2010』番外編

Session 06 Dr Kasaoka, Shunji


Kasaoka S et al, Impact of Target Core Temperature on Neurological Outcome of Cardiac Arrest Patients treated with therapeutic Hypothermia(#284)


―― 今回のご発表の内容について教えていただけますか。

Kasaoka 今回は低体温療法における目標温度の違いが予後にどう影響するかという問題に関する検討を行いました。J-PULSE-Hypoの症例452例について、32~33℃とした群43例と34~35℃とした群407例との比較を行ったところ、退院時の生存率や神経学的予後には群間で差がないことがわかりました。さらにより低い温度に設定すると、合併症などが増えてきます。したがって、合併症等のことを考えると、34℃程度の低体温療法でも十分に効果が期待できる、と結論づけることができます。

―― 低体温療法の温度設定がはっきりしなかった疑問に対して、1つの回答を与える研究といえるわけですね。

Kasaokae 目標温度をどう設定するかはまだ結論が出ていませんので、それに関する回答を示唆する報告になると考えています。

―― このように目標温度がわかってくると管理が容易になるのではないでしょうか。

Kasaoka そうですね、より低い温度に設定すると体温管理が難しくなるので、34℃で管理すれば体温管理は非常に楽になると思います。

―― たいへん明快な結論ですね。ありがとうございました。


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