AEDを使う心肺蘇生法(CPR)ホームページ
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いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ

心肺蘇生法に関わって、逃れられなくなったんですか?
菊地 先生もこれに関わって、逃れられなくなったんですか?
野々木 この領域に入るきっかけはねぇ・・・その当時は、国立循環器病センターのCCUはしっかりしてたけど・・・病院の外には誰も全然目をむけてなかったんよ。CCUの中だけやってたんや。
菊地 へえー・・・そうなんですか。
野々木 だから、要するに、病院にたまたま来て入院できた患者さんを相手にしていたわけ。
菊地 へえーっ。その当時は、まあ、それで成り立ってたわけですよね。
野々木 成り立ってたわけよ。その頃、他にCCUがなかったから。
菊地 患者さんがみんな来るわけですからねぇ。
野々木 で、僕はその後言ったんだけど、 「CCUは、もう役割を果たした」 と。
菊地 うん。
野々木 病院の中はね。
菊地 うん。
野々木 病院の外でいっぱい死んでるじゃないかと。
病院に到着する前に半分以上の人が死んでいるじゃないかと。病院の外もCCUと同じにすれば助けられるじゃないかと。つまり、地域そのもの全体をCCUにしようと。
菊地 うん、うん。
野々木 だから、それを自分たちでやり出したの。
北摂地域の、三島救命救急センターの森田先生(4月より大阪医科大学救急医学教授)とか、千里救命救急センターの向仲先生とかとね、協力し合って北摂の地域をちゃんとやろうよと。
菊地 うん。
野々木 で、ネットワークを作って、仕掛けたんだ。だから、自ら逃れられなくしたんだね。
菊地 そうだったんですか・・・自らだったんですね。
野々木 で、まずは心筋梗塞や心停止の死亡例の疫学調査を行ったり、病診連携の構築とか、モバイル・テレメディスンとかやり出したのよ。心肺蘇生法も何とか広めよう思ったのよ。
菊地 ええ。岩手でも心肺蘇生法の普及を開始していますし、その研究にも協力していますよね。
野々木 うん。ガイドライン2000が出てから、蘇生法に関して意識が高まってきたけど・・・。キチンとした心肺蘇生法を広めていきたいと思ったのよね。世界標準の救命処置をね。
AHAのこのトレーニングコースは教育学的にも優れていて、だから、AHAのトレーニングコースを学びに行ったのよ。そのシステムを持っていたのが、AHAしかなかったからね。
菊地 ええ。結構大変でしたね。
野々木 先生とも行ったけど、もう4年前になるかな? 大変だったね。
菊地 ええ。ニュージャージーの何もないところに行って、ホテルとその会場との往復で5日間、缶詰状態でしたね。無事、帰れてよかったです・・・(苦笑)。
野々木 悲壮感、漂っていたよね。日本循環器学会の代表で行ったからね。不合格なら、帰れなかったよね。
菊地 はい(苦)。
野々木 AHAの 「地域を究極のCCUへ」 という理念で、帰国してから10人で全国展開させていったよね・・・。週末の休みを全て費やしてね・・・。4年間・・・。
菊地 こっちも自ら逃れられなくしたんですね(笑)。
野々木 そうなるか・・・(苦笑)。
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シリーズ 「いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ」 の第ニ回目は、国立循環器病センターの野々木宏先生にご登場いただきました。

日本庭園

約260000平方メートルの園内は、丘陵の高低がそのまま生かされています。シーズンには花しょうぶ田や、はす池もみごとです。
 北摂 (ほくせつ)
令制国の摂津国北部を指す地域名称。現在の大阪府北部と兵庫県南東部北側に当たります。
 疫学調査
病気の原因と思われる環境因子を設定し,その因子が病気を引起こす可能性を調べる統計的調査。
 モバイル・テレメディスン
救急車で搬送しながら、心電波形や血圧・脈拍・体温・体重などのバイタルデータを携帯端末を使ってセンターへ送信し、適切な処置と救急患者の受入れを行なう遠隔医療。
心肺蘇生と救急心血管治療のための国際ガイドラインです。実際には、2000年に発表されたので、通称 ガイドライン2000(写真上) と呼ばれています。