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いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ

救命救急センターは今のままでは、イカンと思うよ。
野々木 国の救急をやっている人達は、みんな救急医学会だとかね、麻酔科学会だとか、その人達がやってるから、本当の市民の実情とちょっと解離してるよね。
菊地 そうそう。外傷がメインですもんね。ですが、外傷は救急疾患全体のうち3割くらいでしたか・・・。
野々木 そうなんか。まあ、確かにね、大規模災害だとかね、ああいうのは確かに重要やから、例えば、その地域にひとつセンターがあってね・・・。
外傷センターだとか、災害センターみたいなのが、ちゃんとその機能を果たさないとイカンのは、確実なんやけどね。
菊地 ええ。
野々木 ただ、救命救急センターがね、みんなそれをやる必要は全然ないのよね。
野々木先生
菊地 そうですね。
野々木 今日ね、救命救急センターの機能のことで、どうのこうの言うてたけど・・・。救命救急センターはイカンと思うよ。今のままでは、イカンと思うよ。
菊地 はい。3次救急施設とか、救命救急センターには、外傷救急医だけじゃなく、もう少し循環器の医者が居るようにしてほしいなと思って・・・。それを必須要件にしてほしいなって・・・。
野々木 いや、もともとは救命救急センターの中にね、CCUだとか、SCU機能をつけなさいっていう指導があったんだけれど、結局参加してないんだよね。
菊地 誰がですか?
野々木 循環器系の人が。入ってないじゃん。行かないもん、みんな。
菊地 会議に?
野々木 いや、現場に行かない。
要するに、救命救急のほんとのドロドロしたところに、ストロークの専門家、あるいは心筋梗塞症の専門家、PCIの専門家が、入っていかない。
カテ室でPCIだけをやっていたり、合併症のないストロークを診たり。
だから、あの救命救急のほんとにドロドロドロしたところに近寄らなかったでしょ? だから、どっちもどっちやからね。
菊地 ハハハッ (笑) 。
野々木 ハハハッ (笑) 。
菊地 どっちもどっちか・・・。
野々木 どっちもどっち。ということは、救命救急センターで救急やってる人も、循環器やってる人も、歩み寄って出来るような組織を作ってやれないと、イカンよね。
菊地 はい。
野々木 そうしないと、心停止になったら救命救急センターに行って、心停止でない循環器は2次救急に行ったりするでしょ?同じ疾患なのに・・・。
菊地 おかしいですよね。
野々木 おかしいでしょ?
菊地 うん、おかしい、おかしい。
野々木 うん。だから、市民から見たらねぇ、物凄くわかりにくいと思うよ。どこの病院行ったら良いのか、わかんない。
菊地 うん、確かに。どうして良いかわからないですよね。逆に、田舎の方がわかって良いですよ。
野々木 1つしかないから。
菊地 そうなんです。岩手県の海岸沿いの北のほうに久慈市というところがあって、そこの県立病院に以前勤めていたんですが、大きい病院はそこしかないから、市民は迷いようがない。
野々木 ああ、そうだね。単純かもしれない。
菊地 ええ、単純明快。
都会だと、例えば東京とか大阪とかですね・・・、搬送先病院がたくさんあるから、2次救急だとか、3次救急だとかってトリアージされるんですよね。
野々木 いや、だから、3次救急とか言ったらイカンのや。1次救急も2次救急も全部診ないとアカンのや。
菊地 うん。そうそうそう。
野々木 うん。だから、判りやすくした方が良いと思うね。
菊地 うん。
野々木 救命救急センターと言わずに、「外傷センター」とかね、「熱傷センター」とかね。名前をね、わかりやすくしてくれたほうがいいね。
菊地 うん。確かに。そうですね。
野々木 「最後の砦」と言わずにね。救命救急センターは「最後の砦」じゃないと思うよ。
菊地 その通りですね。
野々木 得意なところを出してくれたらいいんだ。
菊地 うん。でも、厚労省が平成20年4月から、その地域での、疾患別の専門病院の名前を市民向けに明示するって・・・。
野々木 本当にそうなるんかなぁ・・・(疑)。
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シリーズ 「いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ」 の第ニ回目は、国立循環器病センターの野々木宏先生にご登場いただきました。

万博公園

万博公園
国立循環器病センターから程近くに大阪万博の記念公園があります。ホームページ
 SCU
脳卒中集中治療室
Stroke Care Unit
脳卒中超急性期の内科的集中治療室です。
 ストローク (脳卒中)
脳血管障害のうち、急激に発症したもの。
 PCI その2参照
 トリアージ (Triage)
一般的に災害医療における多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別する方法です。語源はフランス語の 「triage(選別)」 から来ています。