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いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ

自然と教育と医療は社会的基盤、国の共有財産。
野々木 その代わりね、その2箇所なら2箇所に、手厚くしてやらないとアカンわけや。
ナースもドクターも・・・24時間体制をちゃんと出来て、働いたら次は休めるとかね。
菊地 うん。お金も大切ですね。
野々木 とにかく、そういう体制に出来るだけの、人材をまかなえるシステムにしないと。で、しかも、そういう人達には、別途給料出さないとアカンよね。
菊地 うん。そりゃそうですよ。近所のガソリンスタンドでアルバイトを募集していたんですが、その時給が1,600円で、自分たちの当直料の時間給より高いんですよ!ガッカリしました(泣)。
野々木先生と菊地
野々木 医療収入から人件費を出すっていうのは、絶対ムリよ。
菊地 うん。無理ですよ。無理っていうかですね、医療費が少なすぎますよ。
野々木 少ないから、そこからね、人件費までカバーしろって言っても、無理ですよ。
菊地 うん。
野々木 だって、今、当直したら、当直の次の日も働かんとアカンやないか。あれ、もういけませんよ、あれは。
菊地 まだ一応当直していますけど、翌日はもうヘロヘロになってます。当直はもうしたくないなって感じです(疲)。 ハハッ(労)。
野々木 今年の大阪でやった医学会総会出た?
菊地 出てないです。何かありました?
野々木 医学会総会の特別講演でねぇ、宇沢さんっていう東大の名誉教授・・・経済の名誉教授がねぇ、「社会的な基盤っていうのを、国としては共有財産として大事にしないといけない」と。そのときに出たんが、 「教育と医療、それと自然」。
菊地 うん。・・・いま崩れているものばっかりじゃないですか!
野々木 そうなの。 「だから、この3つを共有財産として国がサポートしないと、国が滅びる」 と。
菊地 うん。そうですよ。
野々木 で、 「そこには、とにかく予算を出す必要がある」 と。
菊地 うん。
野々木 だから、必要なだけの予算をそこにつぎ込まないと・・・教育にしても次の世代をちゃんと担う人達を教育しないとアカンやろ。
菊地 うん。
野々木 医療にも、ちゃんとお金をつぎ込まないと。みんなが安全に暮らせるような基盤を作ってやらないとアカン。
北海道だろうが、どこだろうが、とにかくどこ行っても、同じような医療が受けられるようにしないといけない。
菊地 うん。
野々木 で、「自然破壊は止めよう」と。
菊地 うん。うん。
野々木 そういう話をしてたんよ。凄くねぇ、共感できたんよね。
菊地 いや、ほんとですね。
野々木 そのとき言ったのは・・・「経済っていうのはね、経済ありきじゃなくって、その3つの基盤に必要なだけ、お金を入れる。それで、予算が決まる」 と。予算ありきじゃないっていう話だ。
菊地 ええ。多分、それらにお金を入れれば回るんで、経済も悪くならないと思うんですよね。
野々木 絶対必要な、周辺のね・・・周辺の企業とか、そういうのが出来るんだからね。
菊地 そう、そう、そう。
野々木 いやー、凄い心に響いたんや。
菊地 うん。
野々木 今は違うよ。今は、 「とにかく予算があって・・・予算の枠内に収めなさい」 と。「医療費は高すぎる」と。
菊地 高くないですよ、全然。
野々木 そんなはずないやろ?
菊地 全然。
野々木 ねっ。
菊地 道路作る金のほうが多すぎですよ。
野々木 多すぎる。道路いらない。それはもう、自然を破壊しているわけよ。
菊地 うん、うん。
野々木 そういう、救急・・・とにかく市民の安全を24時間体制で守ろうと思ったら、救急には金をつぎ込まないといけないのよ。
菊地 うん。
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シリーズ 「いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ」 の第ニ回目は、国立循環器病センターの野々木宏先生にご登場いただきました。
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1928年鳥取県生まれ。東京大学理学部数学科卒。スタンフォード大学、シカゴ大学、東京大学を経て、現在中央大学教授。日本学士院会員、東京大学名誉教授。
世界的な経済学者であると同時に現代文明批判の評論と活動を行う。「自動車の社会的費用」「「成田」とはなにか」「宇沢弘文著作集-新しい経済学を求めて(全12巻)」など。(Ecology Symphony HPより引用)