AEDを使う心肺蘇生法(CPR)ホームページ
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いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ

J-PULSEの名前の由来って何かあるんですか?
野々木 今日の話題は何やった?
菊地 今日のテーマ・・・J−PULSEです。アッハッハ(笑)。
野々木 アッハッハ(笑)。そうや。
菊地 J-PULSEの名前って何か由来があるんですか?
野々木 PULSEの由来はね、アメリカでね、日本の厚労省にあたるNIH の下部組織のNHLBI という部署・・・要するに、厚生労働省の中の循環器担当部署と、日本循環器学会にあたるAHA とが協同で組織を作ってね、蘇生後のいろんな問題点を解決しようという・・・。日本で言うところの 「班会議」 みたいなもんや。
班会議の時に、国とAHAが全部お金を出して合って、世界から研究者を集めたんや。
菊地 うん、なるほど。
野々木 それで、何したかいうと、まず問題点を明らかにして、次はこういう事をやらないといけないというものを洗い出したのよ。・・・でも、そこまでしかやってない。
だから、要するに、ヒアリングみたいなもん。
菊地 へーっ!
野々木 これ、素晴らしいと思ったのは、今・・・例えば、厚労省とか文科省がいろんな科学研究をやるときに、ヒアリングってのを公的にやってないよね。
菊地 やってないですね。
野々木 学識経験者とか偉い人達の意見だけしか聞いてないよ。それでテーマ出ししてるでしょ?
菊地 はい。
野々木 そうではなく、世界各国から専門家を集めて、そのために数千万円使って、ヒアリングしたのよ。
菊地 はーっ。
野々木 それで、問題点を明らかにして、こういうテーマで研究をすべきだっていう、テーマ出ししたのよ。その組織が、PULSEっていう名前なの。
菊地 へーっ。そうなんですか。
野々木 だから、蘇生後のケアをいかにすべきかという会議で、疫学の専門家もいたり、外科医がいたり、救急医がいたり、循環器医がいたり、ナースがいたり、まあ、いろんな人達が集まったのね。
基礎研究の学者とか工学系の学者も出てきていたし・・・。
菊地 ふーん。凄いっす。
野々木 で、その時に感じたのはねぇ、国の研究にも関わらず、寄付金をちゃんと取ったんや。
菊地 はあーっ、なるほど。
野々木 メーカーから、ちゃんと。国がよ! 「こういう事やるので、ドネーション(寄付)してください」 と。で、 「どこそこがちゃんと寄付してくれて成り立った」 というのを、全部公開してね。
菊地 うん。
野々木 全部そうやってるのよ。だから、国も金出したけど、全米、いや全世界の医療業界のいろんなところに寄付を募って、それで、世界中から専門家や研究者を集めたんや。
菊地 うん。
野々木 丸抱えよ。全部出してんよ・・・旅費から全部!
菊地 先生も招かれたんですか?
野々木 うん、僕も行ったんや。ビジネス便で、しかもリゾート地のいいホテルもちゃんと取ってくれて・・・。リゾート地でやったのよ、その会議を。
菊地 へえーっ。
野々木 丸抱え(偉)。
野々木先生
菊地 へえーっ、いいですね(笑)。
野々木 それはPULSEだから(偉)。
菊地 へえーっ(笑)。
野々木 それで、PULSEって「脈」って意味でしょ?
菊地 ええ。
野々木 だから、 「脈」 を確保するためにどうしたらいいのか、命を救うためにはどうしたらいいのかっていう、その意味でも 「PULSE」 って名づけたんだろうねぇ。
菊地 洒落てますね。
野々木 ねぇ。略語つくるの、うまいよね。ちゃんと蘇生に関係するPULSE(脈)っていう略語にあてはめてるからね。だから、その 「PULSE」 を目指して、Japanの 「PULSE」 になろうと名前をつけたんよや。いろんな人を集めて、市民の救命を計ろうっていう組織にしたかったっていうことやね。でも、PULSEの中身はパクってないよ。BLS、ACLS、Utsteinというテーマを盛り込んで、オリジナルに略語を考えたんよ。
菊地 うん。なるほど、なるほど。
野々木 なかなかそうは、ならんけどね。予算が限られているからね。ハハハッ(苦笑)。
菊地 ハハハッ。そうですねぇ(苦笑)。
野々木 いや、だから、ドネーションっていうのは良いねえ。
菊地 そうですねぇ。やったほうが良いですね。どうして日本は出来ないんですかね?
野々木 だって、税金対策にならないんだから。
菊地 あっ、税金対策にならないところが、ダメなんですか・・・。
野々木 アメリカではね、ステイタスになる。
お金を儲けた人達や裕福な人達が寄付をすれば、それは一つのステイタス。名前も出るし、しかも全く税金が免除になるわけよ。
菊地 あっ、そうなんですか。
野々木 日本では、そうならないんだ。なかなか。
菊地 なるほど。そうなんですか・・・。
野々木 しかもね、アメリカで寄付をすれば・・・例えばビルを寄付するわけや・・・病院一つのビルを寄付したら、名前が付くわけよね。
例えば、KIKUCHIビルとか、KIKUCHIメディカルセンターとか、名前が付くのよ。
菊地 ハハハッ(笑)。確かに付いてますね。病院の名前に。
野々木 それから、そこまで出来ない人は、例えば、カテ室1室を寄付する。
そうすると、そのカテ室には寄付した人のネームプレートが付いてるよ。誰それが寄付したカテ室だっていう。
菊地 ええ。
野々木 で、ちゃんと寄付をしてくれた人達に敬意を表してるよね。いつまでも残るよね、この名前は。
菊地 それは、いい事ですね。
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シリーズ 「いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ」 の第ニ回目は、国立循環器病センターの野々木宏先生にご登場いただきました。

J-PULSE

【厚生労働科学研究】
院外心停止者の救命率向上に対する自動体外式除細動器を用いた 心肺蘇生法の普及とエビデンス確立のためのウツタイン様式を用いた大規模臨床試験 その1参照
 PULSE
Post-resuscitatative & initial Utility in Life Saving Efforts
 NIH (国立衛生研究所)
National Institutes of Health
 NHLBI
(米国心臓、肺、血液研究所)
National Heart, Lung, and Blood Institute
 AHA (アメリカ心臓協会)
American Heart Association
AHAは心臓や血管の病気の、救急医療や長期にわたる治療とその予防に関して世界をリードしている学会です。最近では、心肺蘇生と救急心血管治療のための国際ガイドラインを改訂するときに中心的役割を担いました。
 アメリカのものは、Post-resuscitatative & initial Utility in Life Saving Efforts。

日本の野々木班のものは、Japanese Population-based Utstein-style study with basic and advanced Life Support Education