AEDを使う心肺蘇生法 トップ > いのちをつなぐ 目次 > 第二回 野々木宏先生 > その2 次は、緊急病棟とCCUをひとつのフロアに。
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野々木 |
それで、とにかく救急車を断わらないというのと、救命士との連携を良くしようというので、ホットラインを作ったりしてね。 それをやって、形が整ったというか・・・。 |
菊地 |
それ、いつ頃ですか? |
野々木 |
10年以上になるよ。 |
菊地 |
先生の肩書きが変わったあたりですか? |
野々木 |
肩書きが変わってからやね。 |
菊地 |
変わってから? |
野々木 |
それまで名前だけやった訳やけど。 だから、「緊急部ってなんや」 と。「緊急部長やったら、それなりの事をさしてください」 と。 |
菊地 |
はー。なるほどなるほど。 |
野々木 |
次はね、緊急の病棟とCCUをひとつにしないとアカンと思ってね。 |
菊地 |
緊急の病棟とひとつにする? なってないんですか? |
野々木 |
なってないよ。 緊急の病棟・・・緊急部の病棟が1階にあって、その真上がCCUなんよ。 |
菊地 |
ええ。 |
野々木 |
それで、看護部が・・・看護単位が別なのよ。 |
菊地 |
でも、階が違うと、それはよくあることじゃないですか? |
野々木 |
いや、だから、それもひとつにしたい。ひとつのフロアに。そうしないと、効率悪いじゃない。 |
菊地 |
そうそう。悪い悪い。 |
野々木 |
心筋梗塞は2階で診るけど、それ以外の重症な心不全とか重症な不整脈を1階で診るという・・・。
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菊地 |
そんな感じですね。 |
野々木 |
ハハハッ(笑)。でも、それは、おかしい違うんか? だって、CCUっていうものが変ってきたでしょ? |
菊地 |
変って来ましたよね。 |
野々木 |
だって、昔は心筋梗塞とか不安定狭心症でもカテをしない症例もかなりあったけど、今はもう全部カテするやない。 |
菊地 |
はい。 |
野々木 |
で、カテ後のケアや。それも、あんまり手が掛からん。今のCCUは暇なんや。むしろ高齢者の合併症がある心不全だとかのほうが、手が掛かるのよ。後手後手の重症なのが来るのよ。 |
菊地 |
確かに。 |
野々木 |
そっちの方が、実際には手が掛かる。 だけど、もともとCCUを専門にやってる人やPCIを専門にやってる人たちはね、なかなかそれを・・・気持ちを切り替えられないのよね。 だけど、低体温療法だとかね、色々な事やろう思ったら、やっぱり救急治療と集中治療を一緒にやらないと。 |
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シリーズ 「いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ」 の第ニ回目は、国立循環器病センターの野々木宏先生にご登場いただきました。
国立循環器病センター
厚生労働省直轄の施設等機関で、6つの国立高度専門医療センターの一つ。厚生労働省組織令第150条に基づいて設置され、循環器病に関し、診断及び治療、調査及び研究並びに技術者の研修を行う。
※ カテ (心カテ)
心臓カテーテル検査および冠動脈カテーテル治療(PCI)の略称。心臓の検査・治療手段として、広く用いられています。
カテーテルとは直径2mm程の細い管で、これを足の付け根、手首、ひじなどにある動脈から心臓の近くまで挿入し、各種の検査や治療を行ないます。
カテーテル治療の実際
※ PCI
(冠動脈カテーテル治療)
狭くなった心臓の栄養血管である冠状動脈を風船にて拡げる治療(またはその応用)のことで、狭心症、心筋梗塞の患者さんに行われます。