AEDを使う心肺蘇生法(CPR)ホームページ
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いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ

実は日本の新しい心肺蘇生のガイドライン、僕、結構イケてるんじゃないかと思ってんのよ。
菊地 例えばね、ハートセイバーAEDコースはアメリカのガイドラインのもので、今の日本のガイドラインと違うんだけど、教えるってことに関して、どういうふうにするの?
漢那 僕はAHAのコースでも終わった後だったら良いだろうと思って、日本のガイドラインをちょっと説明してますけども・・・。
要は、コアなところは、「胸骨圧迫をきちんとしましょう」 っちゅう話なので、そこをきちんと教えてあげれば良いのかなと。
菊地 うん。
漢那 実は日本の新しい心肺蘇生のガイドライン、僕、結構イケてるんじゃないかと思ってんのよ。日本の独自性があって、僕、凄くかってるんですよ。
菊地 えっ? かってるの? 自分的にはちょっと・・・。
漢那 ああ、そっかー。
菊地 「これは良くなかったから、こっちにしよう」 とかっていうこともなく、いつの間にか、大きな理由もなく変わったりとかするからね。アメリカなりヨーロッパなりの真似してるだけだから、日本も変わるみたいなさあ。結局それだけのような気がしてね・・・。
漢那 いや、だから、コアの部分は変わらないし・・・。逆に言うと、将来、日本なりの方法を見て行くっていう意味では、まあ、良いんじゃないのって。
・・・今の現状には、凄く合ってると思うし。ほら、高レベルの人は、呼吸と脈同時チェックの方がね、やってみたら分ると思うけど、胸骨圧迫に7、8秒早く行けるのよ。
菊地 うん、うん。なるほど。
漢那 だから、そういう事考えるとね、より上手な高レベルの人はこっちでもっとやった方が良いとかいう、工夫の姿勢が出てたので・・・。
菊地 はあー。
漢那 で、それが良いと思うし・・・。でも、「全部の人がそれは出来なくってもいいよ」 って。不慣れな医療従事者は、つまり、ちょっとレベルが下ってことだけど、市民向けのレベルができればいいかなって。
実はね、院内で医師・看護師以外に教える場合、つまり、放射線技師さんとか薬剤師さんとかのコメディカルの人達に教えるときには、人工呼吸はもう省略してるんですよ、常に。
菊地 うんうん。
漢那 皆さんもそうだと思うんですけど。まあ、そういう形がとれればいいかなと。ある意味、凄く現実的に作ってるんじゃないかって。
菊地 うん。
漢那 でもさあ、わかんないけど・・・国民性かもしれないけどさぁ、なんか、洋物の方がさぁ、好まれる傾向があるから。ほら、「日本の高級車より、やっぱベンツだね」 とかさぁ。
菊地 ハッハッハッ (笑) 。じゃ、「やっぱり、レクサスだよね」 ってなればいいじゃん。
漢那 そうそうそう。そういうのが、出来ればいいんかもしれんけど、意外と、なんかほら・・・俺たちだって・・・たとえば、循環器学会でICLSやったとき、あまり身動きしたりしないで・・・でも、AHAコースになったら、AHA様の言う通り行う・・・そういうの、やっぱあるのよ。ハッハッハッ(笑)。
菊地 ハッハッハッ(笑)。
漢那 日本人特有のコンプレックスがさあ。だから、やっぱ、洋物は 「イケテる」 みたいなさぁ。
菊地 そうか。
漢那 だから、個人的には、日本のほうが繊細でね、アメリカと比べても 「イケテる」 ってとこ、当然あると確信しているんだけど、やっぱね、一般人の市民の感情として、なんとなくこう、洋物がちょっと良さそうに見えるちゅうのがあるんかもしれんね。
菊地 次はじゃあ、「お墨付」 っていう検証だね。
その・・・洋物が良いひとつは、検証をきちっとやってて、そうして変えてきているってとこが、良いんじゃない? 日本の悪いところはね、やってみた後に検証してないんだよね。
漢那 う〜ん。まあ、検証は要ると思うんだけど、難しいね。
菊地 どっか、やってんのかな? ・・・やってないよね。
漢那 だから、プレホスピタルデータでいうと、消防がやってんじゃない? 一応、ウツタイン方式というので。
菊地 ああ、ウツタインはね。ウツタインで、確かにバイスタンダーCPR率が上昇して、救命率が上昇したってわかれば良いんだろうけど、そのデータを出すまでには大変じゃない? その間にガイドラインがまた変更になったりしてさ。だからその・・・教え方が良かったとか、上手くマスターできたかっていうことに関してさぁ・・・。
漢那 うん。そういう教育に対してのスタディってのは、なかなか・・・日本は無いねぇ。教え方に関しては、ほんとは調べないといけないかねー・・・と思いながらも、院内のコースもやるので精一杯で、スタディまでっていう余力が無いのね。
菊地 そうそう(頷)。
漢那 面白ければ、教える側のマンパワーが増えて、余裕が出てくると、もうちょっと出来るかなーと思うんだけれど、もう今、「こなしている」 って感じで、目一杯でさあ。ハハッ (悲) 。
菊地 その点では、日本は医療従事者も少ないのも、まずひとつだけど、その周辺のスタッフも少ないんだよね。
漢那 そうそう (頷) 。
菊地 ・・・その、検証する人を元々作れないような、その・・・お金の配分だしさ。
漢那 うん。まあ、しゃあないよね。
菊地 え? しゃあないの? やっぱ、どっかで変えなきゃないんじゃない? これは。
漢那 ハハッ (苦笑) 。うん。ほんとは変わって欲しいんだけどさ・・・ (俺に言わないでよ) 。
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シリーズ 「いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ」 の第三回目は、九州大学の漢那朝雄先生にご登場いただきました。
菊地とは同い年ということもあって、ACLSなどの蘇生教育を通じてすごく親しい間柄になっています。