|
漢那 |
で、その麻酔科学会の時、AEDの普及のために、その・・・パラダイムシフトっていう・・・。 |
菊地 |
え? パラダイムシフト? |
漢那 |
その麻酔科前教授の高橋先生が、「安心、納得、高度の医療」 とか、「安全な医療」 とか、「納得の医療」 とかいうのを合言葉のようにずっと言う人やって。 だから、与えられるだけの医療じゃなくって、「一般市民の方も、単に医師任せではなく、ちゃんとディシジョンしないとダメなんじゃないの?」 みたいな、そういうパラダイムシフトって事を狙った所があったのよ。そのときの学会は。 |
菊地 |
ふ〜ん。 |
漢那 |
そういう流れがあったから、CPRもねぇ、そんな医者とか看護師とか救急隊が教えるだけでもつまらんし、応急手当普及員を組織化して、教えるといいんじゃないか、というアイデアを思いついたのよ。 で、応急手当普及員は、消防から与えられた資格ではあるけど、でも資格はあっても、消防もなかなか手がまわらずに、実際にはその人達を組織化して教えるって事がなかったんだよね。それだから、「じゃ、それに向けて準備しましょう」 と。「ドームデビューだ!」 ってね。 |
菊地 |
うん。いいねぇ (嬉) 。 |
|
漢那 |
えー・・・そういう応急手当普及員にプロパガンダをうって、集まってもらった人達に教えてもらう。その集まってきてくれたのが、渡辺さん、さっきまでBLSインストラクターしていた・・・。 あと、ウチにもう一人いる、池田さんという方とかですね。今では、その 「福岡応急手当て普及の会」 の代表やってるんですけども・・・。そういう方々と、組織してやろうということで。 彼らもやっぱりまた、教え方を練習したりとかして・・・。 |
菊地 |
うんうん (嬉) 。 でも、それまで、その人達は何をしてたの? |
漢那 |
応急手当普及員ってのは、基本的には、普通の一般の方々で、ボランティア精神のある人達で心肺蘇生法講習を教えたいと思うような人達。 教えたいと思ってて、自ら消防の講習受けにきて、こういう指導者講習もありますよっていうんで、それを受けて認定された人達。 でも、教える機会がなかったんだよね。 |
菊地 |
あらかじめ決まった講習会内容通りに教えたら、修了カードをあげられるわけ? |
漢那 |
うん。消防が認可した講習と同じと思うよ。普通救命講習プログラムとか3時間講習とかあってさ、その規定の中でちゃんと教えればカードが出せるみたい。 |
菊地 |
それなら、ドンドンやっちゃえばよかったのに・・・。 |
漢那 |
だから、個人で勝手にやるって感じじゃないと思うんだけど。一応、消防の人達と一緒にやって・・・きちんと監督下に行いましたよって感じにしていると思うんですけど。ちょっと詳しくはわかんない。 |
菊地 |
なるほど。 |
漢那 |
そのへん消防も上手で、社会に対して 「講習やりましたよ」 ってね。官公庁からの広報にも 「主催:福岡市消防局」 とかね。そういう宣伝になるから、やってもらうのはありがたいんだろうね。 |
菊地 |
うーん。でも、ボランティアって、ひどいね。 |
漢那 |
ひどいよね (苦笑) 。 |
菊地 |
ハハハッ (笑) 。そうなんだー。 そこで、福岡ドームで教えてデビューして、それからもう、どんどん・・・。 |
漢那 |
コキ使われて?・・・ハハハッ (笑) 。 |
菊地 |
どんどんやりだしたわけだ。 |
漢那 |
そうよ。だから、凄いのよ。 その翌年に日本医学会総会が福岡であった時に、引き継がれたんですけど。 ・・・医学会総会って4年に1回しか行なわれてない学会で・・・ある意味ね・・・学会の頂点じゃない? それまで、東京、大阪・京都でしか行われていなかったのが、初めて本州以外でやったらしいんやけど。 |
菊地 |
あっ! わかった。 それ、日循の後じゃなかった? 翌週だったよね? |
漢那 |
うん、そうそうそう。4月くらいだった。その時もまた、一般市民向けに、その応急手当普及員の人達呼んで・・・。 |
菊地 |
うん。 |
漢那 |
それね、4日間か5日間なんだよね。 |
菊地 |
また、ドームでやったの? 毎日? |
漢那 |
ドーム、ドーム。そいで、毎日よ。 |
菊地 |
はぁー (驚) 。 |
漢那 |
最初はさ、「毎日っていうのは大変だろうから、出来る日だけせん?」 って言ってたら、その・・・池田さんっていう代表の人が、「いや、どうにか人員を集めて毎日やります!」 とか言って。 |
菊地 |
はぁー (驚) 。 |
漢那 |
それも、フリーよね。通りがかりの人つかまえてから、「どうですか?しませんか?」 みたいな。 |
菊地 |
えー? 何人ぐらいやったの? |
漢那 |
何人ぐらいかな? 受講者数数えてたかな・・・結構な数、教えてたみたいです、そこでも。現場の飛び込みで。 |
菊地 |
えー。現場飛び込みったってさ、ドームだからさ、用が無いと行かないんじゃないの? 普通。 |
漢那 |
いや、だから、学会は学会でサンパレスと国際センターでやってたんだけど、学会に参加しに来た人プラス一般向けに無料で公開してる展示があって、それが福岡ドームやったんね。 あのー、だからね、結構ね、来てたよ。何千人とか。 |
菊地 |
何千人なの! (驚) |
漢那 |
うん。学会期間中の来場者数は、万の単位で来てたと思いますけど。もう、忘れちゃったけどね。 |
菊地 |
はあーっ (凄) 。結構来たんだ。 |
漢那 |
うん。結構来てたよ。で、そこで興味もった人に、もっと更に教えたと。 |
菊地 |
えー、そうなんだ。 |
漢那 |
そうそうそう。前の年の2002年の麻酔科学会の時は、事前に新聞とかラジオとかで市民から受講者を募集して、定員になったとこで打ち止めして・・・。 空いてるブースは、「通りがかりの人がやってもいいですよ」 みたいな感じだっただけど、医学会総会の時は、事前募集でなく、当日そこに来た人をつかまえたんだ。 |
菊地 |
なるほどー。凄いね。 |
漢那 |
もちろん、親戚とかさ、妹夫婦とかも動員したりとかさ・・・ハハハッ (笑) 。 |
菊地 |
ハハハッ (笑) 。なるほど。それでも、凄いよ。 |
漢那 |
他団体からも来て貰ってやってたんだけど、ちょっと場所が悪かったせいもあるのか、そっちは習ってる人いなかったんだよね。けど、こっちは大賑わい (笑) 。 |
菊地 |
興味ひくようやってるしね。教え方も面白いし。 |
漢那 |
演劇やったりしよってね、彼らがまた・・・イメージ演劇みたいなことして・・・。 |
菊地 |
うんうん(笑)。 |
漢那 |
一日に4回ぐらい、芝居を打つわけよ。 「マラソン中に人が倒れて・・・」。 それを見てた人に 「はい、じゃあ、この芝居の流れの続きで皆さんもやりませんか?」 みたいな感じで・・・ (笑) 。 |
菊地 |
さすがだねー。違うなぁ、やっぱり、先生の仕込みは。 |
漢那 |
いや、芝居とかの仕込みは、自分たちで考えてもらって。僕が仕込んだのは、ある意味技術指導だけなんよ。それも何人かに、「こう教えたらどう?」 っていうようなアドバイスをね、ちょっとしただけなの。 |
菊地 |
へえーっ。 |
漢那 |
いまだに 「応急手当て普及の会」 の 「技術顧問」 の肩書きをいただいてます (嬉) 。 |
菊地 |
ハハッ (笑) 。 |
漢那 |
で、実際にそこにいた人達が今、ウチの福岡サイトのAHAインストラクターの中でも凄い人達・・・上層部になってるわけ。 将来的には、そういう人達がハートセイバーAEDコース教えたらさぁ、良いと思っとったんよ。それを狙っとったわけよ。いまだになかなか実現してないんだけどさ。 |
菊地 |
そうね。なかなかね (残) 。 |
|