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メディカルレビュー社
わが国の循環器救急医療の現状と2010年蘇生に関する国際ガイドラインの展望 番外編


海外の人とのコラボは非常に大事


長尾

SOS-KANTO から、一般市民の蘇生法として、成人の場合は胸骨圧迫だけでもいいのではないか、むしろ胸骨圧迫のみのほうが心室細動に関しては従来法よりもよかったものですから、胸骨圧迫だけでいいのではないかということを何とかまとめて報告しました。その後、大阪からも同じような発表があり、そうこうしていると、「胸骨圧迫だけの心肺蘇生法」 というのが大きなトピックスになってきました。

Ewy先生と野々木先生、長尾先生
Ewy 先生

その大御所がアリゾナグループのEwy 先生なのですが、そのEwy 先生の目に止まりまして我々を引っ張り上げてくれたという状況ではないかと思います。

野々木

そういう海外の人とのコラボレーションというのも非常に大事なことだったと思うのですけれども、そのきっかけは何だったのでしょう。

長尾

それはAHAの我々のポスターセッションに2004年か2005年の時に来られたのです。普通はああいう大御所はポスターセッションにあまり来ないのですが・・・口演会場のほうだと見ますけれども、AHA のあの広い会場ではポスター会場のほうにはなかなか来ないのですけれども・・・

Ewy先生、Kern先生と記念写真
Kern 先生(左)とEwy 先生

そこに Berg さん、Kern さん、Ewy さんの、あのアリゾナの3人組の先生方が来られて、「非常にいい」 と言ってくれたのです。というのは、彼らが 「胸骨圧迫だけのCPR」 を推奨していましたので、そういうデータが大阪と関東から出たことにすごく興味を持ったのだと思います。

野々木

そういう、ILCOR という先ほどの国際組織を見てみると、ほとんど白人だけの世界で、みんな 「お友達」 関係なのです。そういうところに入り込もうと思うと、個人的な交流もアカデミックな交流も非常に大事で、長尾先生がそれを皮切りにしていただいたお陰で、私たちもアリゾナグループと一緒に色々コラボレーションしたりできるようになりました。

Berg先生と野々木先生、長尾先生
Berg 先生

それ以降、色々な領域の人たちとの交流ができて、そういう人たちがサポートしてくれる、そんな関係を築くことができました。そういうふうな形で、コンセンサス2010作成作業中にも日本からのエビデンスに対しても論文をきちんと見てくれたりサポートしたりしてくれました。非常に大事なことですね。

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  1. はじめに
  2. 残念なことに、20世紀の10大業績にCPRもAEDも挙げられていない
  3. 退院前の心肺蘇生法の講習指導に保険診療点数を
  4. 患者さんの早期受診を促すのに、キャンペーンだけでは駄目
  5. 海外の人とのコラボは非常に大事
  6. JRC(日本版)ガイドライン2010はCoSTR 2010と同時に発表へ
  7. CPR+AEDの実技講習を短時間に
  8. 日本の院外心停止のウツタイン登録は、世界に類を見ない規模でスゴイ
  9. CoSTR 2010で胸骨圧迫だけのCPRは・・・
  10. 心停止後症候群(PCAS)の治療には、循環器医と救急医が一緒になって行うことが必要
  11. 循環器救急医療委員会の活動はこれから非常に大事
  12. 行政への働きかけは重要・・・でも、今後の課題ですね