長尾 |
SOS-KANTO から、一般市民の蘇生法として、成人の場合は胸骨圧迫だけでもいいのではないか、むしろ胸骨圧迫のみのほうが心室細動に関しては従来法よりもよかったものですから、胸骨圧迫だけでいいのではないかということを何とかまとめて報告しました。その後、大阪からも同じような発表があり、そうこうしていると、「胸骨圧迫だけの心肺蘇生法」 というのが大きなトピックスになってきました。
その大御所がアリゾナグループのEwy 先生なのですが、そのEwy 先生の目に止まりまして我々を引っ張り上げてくれたという状況ではないかと思います。 |
野々木 |
そういう海外の人とのコラボレーションというのも非常に大事なことだったと思うのですけれども、そのきっかけは何だったのでしょう。 |
長尾 |
それはAHAの我々のポスターセッションに2004年か2005年の時に来られたのです。普通はああいう大御所はポスターセッションにあまり来ないのですが・・・口演会場のほうだと見ますけれども、AHA のあの広い会場ではポスター会場のほうにはなかなか来ないのですけれども・・・
そこに Berg さん、Kern さん、Ewy さんの、あのアリゾナの3人組の先生方が来られて、「非常にいい」 と言ってくれたのです。というのは、彼らが 「胸骨圧迫だけのCPR」 を推奨していましたので、そういうデータが大阪と関東から出たことにすごく興味を持ったのだと思います。 |
野々木 |
そういう、ILCOR という先ほどの国際組織を見てみると、ほとんど白人だけの世界で、みんな 「お友達」 関係なのです。そういうところに入り込もうと思うと、個人的な交流もアカデミックな交流も非常に大事で、長尾先生がそれを皮切りにしていただいたお陰で、私たちもアリゾナグループと一緒に色々コラボレーションしたりできるようになりました。
それ以降、色々な領域の人たちとの交流ができて、そういう人たちがサポートしてくれる、そんな関係を築くことができました。そういうふうな形で、コンセンサス2010作成作業中にも日本からのエビデンスに対しても論文をきちんと見てくれたりサポートしたりしてくれました。非常に大事なことですね。 |