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いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ

心停止の現場に遭遇したことあるよ。それ以外には交通事故の現場とか、痙攣重積とか、その他の病気とか。電車の中のドクターコールも結構あるよ。(1)
菊地 先生は、実際にCPAとか、ドクターコールっていうか・・・そんな現場に当たったことあります?
坂本 うん、あるよ。
菊地 え? あります?
坂本 ドクターコールっていうか、CPAの現場に当たったこともあるよ。

以前に、なんと、蘇生学会が高知であったとき、それを終えて飛行機で羽田に帰ってきて、モノレールに乗って浜松町で降りた途端に、わっと人だかりがあって。行ってみたらCPAで、救急隊とちょうど同時に到着して、「手伝おうか」って言って。

まだ当時、救急救命士が挿管チューブは持ってなかったけど、EGTAは持っている頃で、EGTAでも気管挿管できるから、「じゃぁ気管挿管するよ」とかって言って、現場で挿管して。

まだエピネフリンなんか持ってない頃だから、そのまま一緒にCPRして。「どこへ運ぶのかな」と思ったら慈恵でさ。一番近くだから。

でも、慈恵がまだ当時、救急やってない頃でさ、「一番近い」ってことで慈恵に行っても医者がなかなか出て来ないんだよ。だから、救急室でそのまま「チューブ持ってきて!」「ルート入れて」「戻った。戻った」とかってやって心拍だけ再開させて帰っていった。

・・・なんていう心停止に遭遇したのはあるよ。心停止はそれ1回きりかな。外傷じゃない心停止は。あとはもう交通事故の現場とか、痙攣重積とか、その他の病気とか。電車の中のコールも結構あるし、電車の中は新幹線が2回か3回あるかな。でも、心停止じゃないよ。
菊地 へ〜、先生はよく当たるほうじゃないですか? いや、自分は全然当たんないですね。電車で寝てばかりいるのかな、俺。
坂本 でも、飛行機では「お医者様いませんか?」っていうのは、なぜかないんだよ。新幹線では結構あるけど・・・。
菊地 1回だけ、そう言われてみれば、1回だけ。アナハイムに後輩とBLSインストラクターコースを受けに行ったときに、行きの飛行機でコールはあったけど、そのときも寝ていたんですが、後輩に「何か医者を呼んでいるようですよ」って起こされて。行ってみたら、もうすでにそれらしき人が3、4人はいましたね。みんな、外国人でした。
坂本 通勤途中の、・・・前に話したことあるかもしれないけど・・・、中央線に乗って一駅行ったところで目の前の若い人が崩れるように、・・・目の前じゃないな、ちょっと離れてたかもな・・・、崩れるようにバタンと倒れて。

行こうと思った途端に、「はい!ちょっと待った!」って仕切る人がいて、「誰だ? でも、医療のこと、わかってそうだな」って思っていたら、救急隊員だったんだけどさ。

心停止じゃなくて徐脈ショックだった。いや、もちろんあれだよ、下痢かな、お腹の具合が悪くて、それで反射性に徐脈になって意識が低下しただけで、たいしたことはなかったんだよ。

でも、一時的に徐脈になって気を失っていたから、次の駅でさ、電車から降ろして、その救急隊と俺と2人で。そしたら、もう1人降りてきた人がいたんだよ。だからさ、3人でバイタル見てさ、「徐脈だね」って言ってさ、「私、こういうものです」って消防署に勤務しているって自己紹介してくれてさ、「救急隊の人?あ、そ〜」って言って、「あそこの先生、知ってます」っていう話しになって。

「近くの杉並の消防署呼んだから、すぐ来ますから」って言ってさ、「申し送りするのもいいいか」って思っていたら、もう1人いたおっさんがさ、勝手にごそごそごそごそ探ってさ、ポケットの名刺見てさ、「この人は何とかさんですね」って。

「どちらさんですか?」って尋ねたら、「私、あの〜杉並警察の何とかです」って答えて、警官だった。居合わせたのが、警官と救急隊員と医者の3人だった。
菊地 へ〜。電車の中とかって乗り合わせているものなんですね。関係者が。
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シリーズ 「いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ」 の第八回目は、帝京大学の坂本哲也先生にご登場いただきました。