AEDを使う心肺蘇生法 トップ > いのちをつなぐ 目次 > 第一回 平盛勝彦先生 > その2 心肺蘇生の方法を県内で統一させたのって、スゴイですね。
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菊地 |
岩手県の蘇生法の方法は、やはりアメリカ心臓協会 (AHA) のガイドラインを参考にされたのですよね? |
平盛 |
ああ。1992年のガイドラインから持ってきたんだ。そのものだ。 |
菊地 |
その当時に心肺蘇生法の方法を県内で統一させたのって、スゴイですね。 日本全体で心肺蘇生法が統一されたのが、たしか2002年ですからね。 |
平盛 |
「ガイドライン2000」 という心肺蘇生法の国際ガイドラインが出来て、その外圧に負けてやっと統一されたんだ。 |
菊地 |
その当時、心肺蘇生法を県内で統一させる時、消防関係とか日赤関係から反対はなかったんですか? |
平盛 |
なんだかんだ言ってたよ。それぞれに権益がからんでいるんだよ。医学会はもっとひどかったよ。 |
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菊地 |
今にしてみれば、至極当たり前のことですが、その当時は、消防関係と日赤関係は異なる方法を教えていましたからねぇ。 |
平盛 |
それぞれが、なんだかんだ言ってね。 「それぞれがやるんじゃなくて、一つにしようってしてるんだろう」 って言って・・・。何回か会議を繰り返すうちに引っ込んだんだよ。 |
菊地 |
あー・・。それが1年間かかったというんですね。 |
平盛 |
1年だな。1年といっても、毎日やるわけじゃないからな。 そのうち、しょうがないと思ったんじゃないか。 |
菊地 |
ははは・・・(笑)。そうですか。 |
平盛 |
岩手県全体でやるって言っているから。 |
菊地 |
県庁という行政を巻き込んだのが大きかったんでしょうか? |
平盛 |
行政がやるし、県医師会がやるし、岩手医科大学がやるし・・・って。 これは抵抗できないと思ったんじゃないか。 |
菊地 |
そうなんですね。 |
平盛 |
本気でやるって分かったから、いっしょにやった方が本来の蘇生法の普及も出来るって思ったんじゃないかな。消防も日赤も。 |
菊地 |
うーん、そうかもしれないですね。 |
平盛 |
そんなふうに分かったら動くというところがね、岩手にはあったというかな。難しくなかったんだよ。 他でやったら無理だよ。うるさいよ。 東京とか大阪だったら、大変なんだよ。 |
菊地 |
あー・・・。 |
平盛 |
うるさいぞ。組織で動くというのは。 だけど1人じゃ動けない。1人じゃ仕事できない。 チーム作らんとできない。 |
菊地 |
そうですね。確かに。 |
平盛 |
チームを作るの、チームを引っ張るのって、大事だ。 年取らないとだめだ。 |
菊地 |
確かに。 先生は以前からそうおっしゃってましたね。 |
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シリーズ 「いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ」 の記念すべき第一回目は、モリーオ株式会社代表の平盛勝彦先生にご登場いただきました。
先生は菊地が医師1年生の時からのお師匠さんです。
モリーオってどんな会社?
臨床医と情報通信技術の専門家が平成13年12月に設立した大学発企業。
ネットデホルター®※ を中心に医家向け業務を展開中。
※インターネットを活用した迅速ホルター解析支援サービス
※ 「ガイドライン2000」
AHA(American Heart Association)は心臓や血管の病気の、救急医療や長期にわたる治療とその予防に関して世界をリードしている学会です。
最近では、心肺蘇生と救急心血管治療のための国際ガイドラインを改訂するときに中心的役割を担いました。実際には、2000年に発表されたので、通称 ガイドライン2000(写真) と呼ばれています。
このガイドラインに日本の救急医療は大きく影響を受けています。