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いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ

検診項目で有効なのは、6項目だけ
平盛 これ、知らないか、これ? 厚労省科研費の特別研究事業だよ。
菊地 えぇ・・・。
平盛 聖路加国際病院の福井次矢君が班長で、報告書がここにあるけれども、項目が24項目っていったかな? 検診項目と保健指導項目をEBMの手法で役に立っているかどうかを調べた。
調べたのはね、真のエンドポイントである死亡率や罹病率の低下と中間アウトカムである検査値や生活習慣の改善だ。
そしたら、条件付で有効というのは、問題飲酒と喫煙とうつ病についての問診、血圧測定、身長と体重の測定、糖負荷試験、これだけなんだよ。6項目だけ。あとは、B型・C型肝炎検査が判定保留で、それ以外は役に立っていない。よく検討してみたらこういう結果だった。
だけど、来年から特定健康診断・特定保健指導というのが始まるでしょ。そこでこれをやるわけだ。
対談風景
菊地 たくさん・・・。
平盛 役に立たんと分かったことをやるわけだ。
義務化するわけだ。おかしいんだ。
本物をやる必要はないよというわけだ。
菊地 そのお金はどこからまかなわれているんですか。
平盛 特定健診と指導は、国民健康保険とか職域健康保険の組合と自治体と国だね。国民のカネだよ。予防なんかの保健に使われる金は、いま騒ぎになっている国民年金とかの公的な金と税金だよ。保養センターや健康増進施設で国民が払う金もあるな。
で、その金で保養施設作ったり、筋力トレーニングだとかやるわけだよ。
菊地 そのお金がさっき言った数千の財団とか健康増進施設で別に使われているんですか?
平盛 そういう施設にいく金もあるよな。
例えば、保養施設とか・・・岩手山の焼走り温泉か・・・僕は行ったけど・・・東北自動車道行くと、ちょっと小高い岡の上に建物があって、眺めの良い気持ちのいい温泉だぞ。立派な温水プールもある。それが健康保険組合の組合員証があると、安く使える。
金がそこに、その温泉などに使われているわけだよ。補助金として分配されているわけだよ。
菊地 保養施設とか、温泉とかあちこちに結構、配られているんですね。
これが全部、医療費として使えるようになればいいんですよね?そうすれば、早期発見として心臓病疑いで診療してもらえることになるんですね?
平盛 だから、医者じゃないとね、病気の早期発見なんて、ちゃんとできないわけだよ。
菊地 はい。
平盛 それを医者にやらせるようにすれば良いわけだよ。
菊地 お金の流れを変えたらいいということですね。
平盛 そう、それをやろうとしているわけだよ。
医者が、公的な金で、公的医療保険の中で病気の早期発見をやる。早期発見ができると治療とか重症化の防止とかが簡単だろ。医療費も安くて済むよ。市民は喜ぶよ。病気はないほうがいいが、病気にならない人間なんていないんだからね。
しかし、今の医療制度だと、医者の診療報酬は減るがね。
菊地 はい。
平盛 心筋梗塞の患者の6割、7割は糖尿病絡みだからな。
だから、心臓病が分かる医者が早期発見ということで糖尿病の患者さんを診だすとね、早めに見つかるわけだよ。心臓病が早めに見つかると、簡単に治療できるわけだよ。
菊地 はい。
平盛 薬もあるしな。検診して心臓病のサインを早めにみつけないと予防も早期治療も出来ないんだよ。
菊地 はい。今、医療費が高くなっていて、政府は抑える方向に向かっていますが、それ以外の、予防のために、財団とかに流れているお金が結構あるんで、それを医療費として使いたいという・・・。
平盛 無駄に浪費されている金を早期発見とか治療に回してほしいんだ。
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シリーズ 「いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ」 の記念すべき第一回目は、モリーオ株式会社代表の平盛勝彦先生にご登場いただきました。
先生は菊地が医師1年生の時からのお師匠さんです。
焼走り温泉 いこいの村岩手
焼走り温泉
画像は八幡平市HPより転載