AEDを使う心肺蘇生法 トップ > いのちをつなぐ 目次 > 第四回 真弓俊彦先生 > その1:ほんとに大事なのは市民向けの講習会を開いて、バイスタンダーにどれだけCPRをやってもらえるか、ということ。
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菊地 |
明日と明後日はBLSがあるんですね。また受講者が多そうですね。お疲れ様です。日本循環器学会としては明日、明後日の2日間はACLSを行います。ご協力ありがとうございます。 |
真弓 |
こちらこそ、ありがとうございます。 |
菊地 |
そういえば、BLSインストラクターで・・・日本循環器学会総会を名古屋で開催したときに、心肺蘇生法とAEDに関しての市民公開講座を開きましたが、そのときに前に出て笑顔でわかり易く説明してくれた、あの方・・・平川さん、平川さん。・・・僕、あの方の大ファンなんですけど・・・一般市民へ教えるのがものすごく上手ですよね。あの人がステージに上がっただけで会場の雰囲気がいっぺんに穏やかな感じに変わりましたもの。 |
真弓 |
彼女は、だって15年ぐらい、こういうことやってるんだもんね。 |
菊地 |
ホント凄いですよね。自分もですね、毎年1月には市民向けの講習会を結構大きく開催しているんですが、そのときにはあの雰囲気を醸し出そうと思ってやっているつもりなんです・・・。 |
真弓 |
明日、明後日のBLSに来ますよ。 |
菊地 |
あっ、そうですか! いや、本当に、平川さんは、インストラクターのお手本になるいい人ですよ。ああいう方が居ると、本当に良いですね。BLS活動の中心になる方がいて、どんどんコース展開できていますものね。 |
真弓 |
うん、でも、医療従事者向けのBLSよりは・・・。
救命士制度が出来てからも、救命率がほとんど上がってなかった。まぁ、最近やっとAEDが出て来て、救命率が多少上がるというようなことも見られているけど、最終的には一般市民のバイスタンダーがどれだけCPR出来るかということにかかっている。
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菊地 |
ええ、全くその通りですね。 |
真弓 |
だから、ほんとは医療者向けの講習会も大事だけれど、ほんとに大事なのは市民向けのね、講習会をちゃんと開いて、バイスタンダーにどれだけCPRをやってもらえるか、ということが大事だと思う。
最近、バイスタンダーのことに関して、SOS-KANTOの研究論文が出たから、これからは「一般市民は胸骨圧迫心臓マッサージだけのCPRで良い」と。そうなれば・・・今まで気道確保がうまく出来なかったとか、あるいは、人工呼吸をやるのが嫌でCPRを全くやっていなかった人達が、CPRを実施するようになる。それだけでも、救命率が全然変わってくるわけですよ。やっぱり、バイスタンダーが大切ですよ。
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菊地 |
ええ、その通りですね。 |
真弓 |
教える事もシンプルになるしね。それはいい事ばかりですよ。
そうそう、坂本先生たちが、一般市民向けにDVD作ったんですよ。舞の海と香坂みゆきを二人ゲストに招いて、一般市民向けに作ってるんですよ。それはなかなか評判です。2005ガイドライン準じていて、ちゃんといろいろ教えてくれて、しかも著名人が出てきて・・・。
坂本先生も出てる。いろんな消防署には配ったみたいなんで、救急隊員は結構持っているみたいですよ。
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菊地 |
へぇーっ。知らなかったですね。今度、救急隊員に「ちょうだい」って・・・是非もらいます。 |
真弓 |
あのミニアンも坂本先生が、海外で作成されたものを日本風にアレンジして・・・。坂本先生も一般市民への普及を頑張ってますよね。 |
菊地 |
ええ、やってますよね。 |
真弓 |
あとは・・・、せっかく講習会で学んでも、自動車学校で学んでも、結果的にみんな忘れちゃったりとかしちゃうから、免許の更新の時にね、交通安全のビデオばっかり見るんじゃなくて、心肺蘇生法のビデオをちょっと流してもらうだけでも全然違うだろうと。そうそう、心肺蘇生法とAEDのビデオね、例え5分でもいいから、流してもらうと一番いい。 |
菊地 |
ええ、確かにね。実は最近、免許更新したばかりなんです。確かに講習会の間、交通安全のビデオを流してばっかりいましたね。 |
真弓 |
で、そのときに心肺蘇生法のビデオも流してもらうように、交通安全協会に・・・川崎医大の救急の教授だった小濱先生は警察庁と結構一緒に仕事してて、交通安全協会に、そういう事を言ってくれているみたいですよ。でも、「ここ3年ぐらい頼んでいるが、なかなかそれが採用にならなくってねぇ」って言ってた。 |
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シリーズ 「いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ」 の第四回目は、名古屋大学の真弓俊彦先生にご登場いただきました。
真弓俊彦先生の略歴
1960年生まれ。趣味はテニス、スキー、ワインと多彩。
1985年名古屋大学医学部卒業。病院勤務や留学を経て、1994年名古屋大学第一外科に入局。
1995年10月より同附属病院集中治療部に勤務。現在に至る。
数多くの学会で評議員を務められるなど、後進の指導にも精力的に携わっておられます。