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いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ

アメリカに留学していたのも、今から15年以上も前なんだね・・・(懐)。
真弓 だから、帰るときも・・・教わったのは、「信号になったら停まらないように」「信号に停まらないように運転しなさい」ってこと。だから、前方の信号見て、赤信号だったらゆっくり進んで・・・。

だって、夏ぐらいになると、みんな暑いから黒人の人達は、みんな道端に出てるわけよ。で、夜走ってると、道端に黒人の人だかりが出来てて、停まると、窓拭きの少年がね、来たりしてね。少年ならいいんだけど、ときどきおじさんも窓拭きする・・・。で、「金くれ」って。でも、金ぐらいならまだいいけど、ひょっとしたら命もね、奪われかねないから。
菊地 はあーっ(嘆)。
真弓 だから、必ず帰る時は、赤信号で停まらないように、周りや遠くのほうの信号見ながら運転するの。そういう点では、「安全っていうのはほんとに・・・お金で買うもんだ」と実感した。日本のありがたさをよく味わったと思う。そういう点では、カルチャーショックというかね、面白かった。
菊地 そんな危ないところに住んでいたんですか?
真弓 住んでいたところは、もちろん安全な郊外だよ。日本人のスタッフがいっぱい居て、みんなリサーチとかで行ってるんだけども、ちょうどジョンズホプキンスとNIHの家族が100世帯ぐらい郊外のアパートで、みんな集まって住んでいて。

いやー、面白かった。週末とかになると、みんなでバーベキューパーティーやったりとか、向こうは肉が安いから、いい肉買ってきてみんなで集まってね。
菊地 へえーっ。
真弓 で、奥さん方は平日の昼間は暇だから、奥さんたちでつるんでみんなゴルフ行ったりとか。
菊地 へえーっ。うらやましい限りです(羨)。
真弓 だって、自分でカート引くと1ラウンド12ドルで回れるから、日本人の先生でも、朝早くからゴルフに行って、その後研究したりとか・・・。特に夏だと、サマータイムって言って、1時間早く繰り上がるでしょ。そうすると、午後5時でもまだまだ明るいし、まぁ・・・午後3時ぐらいから早退してきて1ラウンド回ったりとか、あるいは午後5時まで働いてハーフ回ったりとか、そういう先生もたくさんいたからね。

1ヶ月で4ラウンドっていうのは、ざらにみんなやってたなぁ。まぁ・・・我々にはちょっと、その余裕はなかったけど。

アパートには、プールがあって、テニスコートもあって・・・。そういうアパートなんで、アメリカオープンの時期になると、テレビを見て、みんながテニスやりだすとかね。
菊地 楽しそうですね。そのとき一緒に行ったお子さんは今何歳ですか?
真弓 今、高2と・・・向こうで生まれた子は、今、中3ですね。・・・向こうで生まれた子は一応国籍が2つあるんだけど・・・。今は「アメリカ国籍にはならない」と言ってる。でも、あと3年ぐらいすると「アメリカ人になる」と言うかも知れない。
菊地 ははは。記憶はあるんでしょうね。
真弓 いや、全然無いよ。上の子も幼稚園というか、ナーサリースクールっていう・・・まぁ、幼稚園に入る直前ぐらいの子供達が行くとこに行って、アメリカ人の子供たちと一緒にね、半日過ごして来たんだけど・・・全然記憶に残ってないみたい。
菊地 はあーっ。そんなものなんですか・・・。
真弓 英語の発音もいい訳じゃないし。
菊地 え(笑)。そうなんですか!
真弓 うん(笑)。幼稚園の初めぐらいでは、あんまり意味がないみたい。小学生ぐらいで行くと、英語の発音とかも入ってきて、一番いいみたい。
菊地 奥さんは、発音とかは良くなったんですか。
真弓 発音・・・いや・・・まぁ、あのー、かみさんも外人とは一応話せるように、多少はなってたけれどねぇ。だけど、主に日本人コミュニティがちゃんと出来てるからねえ。ほとんど彼女たちは、普段は日本語で済んでしまう。
菊地 あー・・・そうか。
真弓 そういう点でも、かみさんは「日本に帰りたくない」とは言ってたけど・・・。だって、昼間からゴルフは出来るは・・・ね。旦那は土日もちゃんと家に居るは、平日も早く帰ってくるは・・・。今は、土日は居ないは、平日も遅いは・・・ねぇ。凄いギャップがある。
菊地 そこんところは、凄い大きなギャップがありますね。
真弓 そう。アメリカにいたときには、うちの娘を毎日私が風呂に入れてましたからねぇ。ちゃんと早く帰れるから。生まれてからずっと、1歳・・・2歳、アメリカに居る間は、僕が風呂に入れている。
菊地 へえーっ。
最初は・・・奥さんは結構、戸惑ったりする事が多かったんじゃないんですか?今は多分もう・・・全然そんなことないとと思うんですけども。そうでもないですか?
真弓 うーん。最初はね。いや、でも周りに日本人の奥さんたちもたくさんいたし。
菊地 あー、そっかー。
真弓 でも、今から15年以上も前なんだね・・・。早いもんですね・・・(懐)。
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シリーズ 「いのちをつなぐ ひとをつなぐ こころをつなぐ」 の第四回目は、名古屋大学の真弓俊彦先生にご登場いただきました。