せっかくこのような機会を与えられたため、動物実験だけではなく、臨床的なことも勉強したいとKern先生に希望したところ、毎日のカンファレンスとカテーテル室の見学を快くお許しいただきました。アリゾナ大学の循環器内科のフェロー(日本でいうレジデント)と一緒に、毎朝7時から8時までのカンファレンスに参加しました。曜日により、心臓カテーテル、心エコー、不整脈、心移植などのテーマが決められており、スタッフの先生とフェローが1名ずつレクチャーや症例提示をしていく形式でしたが、これが非常に勉強になりました。演者のプレゼンテーションの途中でもKern先生や同僚のフェローからどんどん質問やコメントが飛び交い、英語に不自由な私たちにも意見を求められたりもしました。日本ではなかなかここまで熱いカンファレンスに参加できないのではないかと思います。また、アメリカのフェローたちの朝は早いですが、夕方には仕事を終え帰宅しています。夕方以降になると入院患者さんの対応は全て当直医が行っているようでした。仕事とプライベートのメリハリがあって羨ましく思いました。また、心臓カテーテルの見学もさせていただきましたが、経皮的冠動脈形成術(PCI)の手技自体はそれほど日本と変わりないように感じました。しかしながら、PCIに用いられているデバイスの値段は日本より格段に安いことと、カテ台に横たわっている患者さんはほとんどが肥満体型の人であったことが日本と異なりました。