
10 自己責任!?
アメリカでは年間25万人、毎日600人以上が心臓発作により突然死しています。
そのため、2000年5月にクリントン元大統領はラジオで 「AEDを普及させることで年間2万人もの命を救うことができるため、全ての連邦政府ビルおよび民間航空旅客機にAEDを設置することが必要であり、政府は公共の場へのAEDの設置を積極的に援助する」 と演説しました。
2000年11月心停止救命法 (Cardiac Arrest Survival Act: CASA) が施行され、次代ブッシュ大統領もこれを推進し、行政が力強くあと押ししているのです。
また、CASAと相前後して全米各州でPADに関する法整備が進んでいます。
善意で行う緊急避難的な救命行為にはその責任を問わないとの 「good Samaritan (良きソマリア人)法」 といわれるものです。
AEDを医師の”処方箋”に基づいて特定の条件下で配備する事を認めて、これに従ってAEDを購入し使用した場合には、たとえその使用により悪い結果をもたらしたとしても法的責任を免除するというものなのです。
日本では、2004年7月1日に一般人のAED使用を認めました。
緊急避難で一般市民がAEDを操作するのは、民法第698条の「緊急事務管理」に相当し、悪意または重過失がなければAED使用者が不法行為による責任を問われることはなく、損害賠償による責任も問われないとしています。
このため、アメリカでの「good Samaritan(良きソマリア人)法」のようなAED使用者を積極的に保護する法的整備は必要ないと考えられているようです。
このとき、法律違反でないとしながらも「自己責任」ということだけは何とか避けてもらいたいです。
ともかく、今年2004年は日本でのPAD元年です。