2009年1月25日@獨協医科大学 市民公開講座 自治医科大学 救命救急センター 看護師 谷島 雅子 みなさんだったら、こんなときどうしますか?<実際にあった話です> 1歳9ヵ月の男児が、保育園の給食に出されたキャンディー状のチーズ(直径約2センチ、厚さ約1.5センチの円筒状のチーズを一粒ずつ包み紙に包んだもの)を口に入れ、ふたかみほどすると口を開けたまま体を動かさなくなった。みるみる顔が青ざめてきた。 これは、チーズをのどに詰まらせ、危うく窒息死する事故でした。出来ることなら、このような場所に遭遇したくないものです。そのためには、事故を起こさないための予防が必要です。 まずは予防からはじめましょう!1〜14歳での死因の第一位は事故死です。 不慮の事故による死亡は、0〜4歳の子供では毎年850人ぐらい発生しています。 事故のうち1/2〜1/3は、ちょっとした注意で防ぐことが出来ます。 誤嚥による事故を防ぐには子どもは好奇心が強く「物をつかむ」何でも「口に入れる」行動をとるので、あらゆる物が異物・誤飲につながる恐れがあることを理解してください。誤って飲み込みやすいと思われる物は、子どもの手の届く所には置かないようにしましょう。 それでも誤嚥してしまったらおちついて行動をとりましょう。 まず、子供の口の中を見ます。ただし、口の中に物が入っているときに、大きな声をかけるとびっくりして気管に吸い込んでしまうことがあります。そっと声をかけて口の中を見るようにしましょう。 口の中には物が見えないが、気道に飲んだものがつまっていると考えられるときには、背中をたたいたり、大きな子供は、腹部を圧迫する方法を試みます。無理に口の中を探ることはしないでください。詰まったものを押し込んでしまう可能性があります。 それでも誤嚥したものが解除できなければぐったりして意識がなくなってしまったり、顔色が青くなってきたりしたら 「119番」通報、胸骨圧迫心臓マッサージ+人工呼吸を開始しましょう。 乳児の心肺蘇生法の手順
救急車のサイレンの音が聞こえると、玄関口や外まで子供を抱えて来られる方がいらっしゃいます。この間、心肺蘇生法は中断してしまいます。決してサイレンの音が聞こえても心肺蘇生法は止めないで下さい。 救急車のサイレンは、あなたにもう少し、頑張って下さいとの救急隊からの激励のメッセージと思ってください。 当ページは谷島さんの許可を得て掲載しています。 |