スポーツ現場での自動体外式除細動器(AED)の使用


平成17年度健康スポーツ医学再研修会
日時:平成17年12月11日
会場:護国会館 高砂殿
主催:栃木県医師会

獨協医科大学心血管・肺内科  菊地 研


2002年、高円宮さまはスカッシュの最中に突然死された。
その後からマラソン大会での突然死の報道が相次いだ。
昨夏には、野球の練習中に球を胸に受けた選手が亡くなる事故が2件あった。
球などが胸に当たった衝撃で生じる場合は「心臓震盪」と呼ばれるが、いずれも突然に心臓の筋肉がけいれんして停止してしまう「心室細動」という不整脈が原因だ。
いつ、どこで生じるか予測もつかないのだ。
その対策として、今夏、甲子園球場にAEDが導入された。

AEDは、電気ショックで「心室細動」を取り除き(除細動)、命を救うことができるのだが、この除細動が1分遅れる毎に助かる可能性は約10%低下する。
このため、昨年7月から医師や救急救命士だけでなく、一般人も使えるようになった。
実際、マラソンレース中に心停止になった選手が、AEDの使用により一命を取り留めている。
スポーツでの突然死を防ぐため、選手やその指導者らはAEDを用いた救命措置を知っておく必要がある。

当ページは平成17年度健康スポーツ医学再研修会の抄録を、
許可を得て掲載しています。

 

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